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第6冊④ 鬼速PDCA(4講:D(実行)を学ぼう(初級編))

4講:D(実行)を学ぼう(初級編)

 

第6冊『鬼速PDCA

 

鬼速PDCA

鬼速PDCA

 

 

 

 

確実にやり遂げる「行動力」を身につけよう

今回のD(実行)フェーズで行うことは、P(計画)フェーズから受け継いだ解決策(課題解決のための方向性)を実現するために必要なアクションを考えることです。

これを本書では、「DO」としています。また、実際の行動がとりやすいように「DO」をもう一段階具体的なタスクレベルまで分解し、スケジュール設定したものを「TODO」としています。

【例】

DO:会社の数字に強くなる

TODO:今日中に駅前の本屋で簿記の本を3冊買う、1週間ですべて読む

 

 

 

実行できないケース

PDCAを回す際、全体の3割がこの「D」フェーズで頓挫してしまうが、その具体的なケースを見ていきましょう。実際の失敗ケースを知ることで、意識して回避することも可能になります。

ケース① 計画自体が失敗している 

3つの計画自体の失敗は以下のとおりです。特に「計画が粗い」が非常に多いことを意識しましょう。

・計画がない:まあ、なんとかなるんじゃないですか

・計画が粗い:課題はざっくり見えていますが、解決案はあまり考えていません

・計画が無茶:課題も解決案も分かっています。絶対に無理だと思いますけど

 

ケース② タスクレベルまで落とし込まれていない

計画はうまくいっても、それを組織の業務フローや個人のタスク、具体的な行動スケジュールに落とし込むまで細分化していないので、結局やるべきことが不明瞭なまま時間だけが経過していく。世間で言う「計画倒れ」がこのケースです。

 

ケース③ 失敗することが恐い

いざ計画を建てても「情報が足りない」「思考の整理がついていない」「リスクが見えづらい」などの理由から仮説に自信が持てず、行動することも中止するかも決断できず立ち止まってしまうのが本ケースです。

 

因数分解をする際の7つのポイント

それでは、「D」フェーズの5つのステップをそれぞれ見ていきましょう。

ステップ① 解決策を「DO」に変換する

まずは計画フェーズで絞り込んだ解決案を実際のアクションである「DO」に分解します。解決策が、抽象的か具体的かで「DO」の分解の傾向が変わります。

【抽象的な解決案⇒DOが複数出る】

解決案:体力を強化するべきだ

DO:ジムに行こう、ジョギングを始めよう、バランスのいい食事を摂ろう、コンディショニングの本を20冊読もう etc

 

【具体的な解決案⇒DOとオーバーラップする】

解決案:ブロックチェーンの専門家を雇うべきだ

DO:ブロックチェーンの専門家を雇う

 

また、DOには「完結型」と「継続型」があることも理解しておきましょう。それぞれのDOは混在していても問題ありません。

【例】

解決案:クライアントにもっと交流を深めるべきだ

DO:2ヶ月に1回、会食に行く【継続型】

   ゴルフに誘ってみる【完結型】

  

ステップ② DOに優先順位をつけ、やることを絞る

DOが多すぎると、実行が難しくなりますし、モチベーションも下がります。なので優先順位をつけ、やることを絞りましょう。

【優先順位のつけ方】

① 解決案に対しDOが一つしかない場合、無条件に選ぶ

② DOが複数ある場合は、「それをしないと始まらない」というDOは、無条件に選ぶ

③ 残りのDOは「インパクト」「時間」「気軽さ」の指標で、優先順位をつけ、やることを絞り込む

 

ステップ③ DOを定量化する(「KDI」を設定する)

 計画フェーズのKPIのように、実行フェーズでは「DO」を定量化します。それを本書では「KDI(Key Do Indicator)」と名づけています。これは「どれだけ計画を実行できたか」を表す指標です。

また、検証サイクルごとに細分化した目標を「ラップタイム」と呼んでいます。

【例】

DO:1,000ページの本を読む

KDI:ラップタイム達成率100%

ラップタイム:毎週200ページずつ読む

 

【完結型DOのKDI化】

完結型DOの場合は、「何回」「何件」といった具体的な数値に落とし込みます。また、ラップタイムを設定しているものは、その達成率を設定します。

【継続型DOのKDI化】

継続型DOは、ラップタイムで追いかけます。「目を見て挨拶する」というDOは、数値化できず、実行できたか、できなかったかを感覚的に評価するしかありません。しかし、本書で紹介している「ルーチンチェックシート」などを使い、その日のうちに振り返れば比較的正確に実行の可否を把握できます。

 

ステップ④ DOを「TODO」に落とし込む 

次にDOを「TODO」に落とし込みます。このTODO化とは、DOを実行の際に迷わないレベルまで分解することを指します。きちんとTODO化されたかは、「スケジュール長に書き込めるレベルになっているか」を基準に判断しましょう。

なお、継続型のDOで定性的なもの(例:早口でしゃべらない)は、しっかり「ルーチンチェックシート」に反映しましょう。

【例】

DO:2ヶ月に1回、会食に行く

TODO:(今日中に)先方のスケジュールをメールで確認

     (日付確定後)店をネットで探す

     (日付確定後)予約の電話を入れる

     (日付確定後)自分の予定をブロックする

     (予約取得後)先方に情報をメールする

     (予約取得後)上司に会食の旨を報告する

 

 

ステップ⑤ TODOの進捗確認をしながら実行に移す 

TODOを決め実行に移す際の大事なポイントがあります。それは「TODOの進捗確認の実行フェーズで行う」ということです。

検証フェーズでは、KPIやKDIを基に検証を行います。しかし、TODOは検証フェーズを待っていたら、PDCAサイクルのスピードが大幅に落ちてしまいます。なので、TODOは実行フェーズでこまめに確認する必要があるのです。

TODOをこまめに確認していれば、たいていのことは少しペースアップしたり、休みを短縮するなどで微調整が可能なのです。

 

 

 

実行フェーズをうまく回すためのコツ

【TODO管理アプリの活用する】

TODOが増えると管理も大変になるため、本書ではTODO管理アプリが紹介されています。万能ツールと化している携帯電話をうまく活用して、TODOを管理してみまるのも良いかもしれません。

 

【「人」に潜むリスクに気を配る】

経験上、人は自分に直接的に損失をもたらしそうな経済的リスクなどについては、想像力が働きやすい一方で、「人」、厳密にいえば「他人の感情」にまつわるリスクを忘れがちです。

この「他人の感情」にまつわるリスクを防ぐためには、コミュニケーションが重要です。自分が苦手だと思う相手ほど、コミュニケーションミスのリスクが潜んでいると考え、積極的に対話をしかけていく必要があります。

「他人の感情」にまつわるリスクがあることを常に意識し、対策を考えておき、そのリスクを「想定内のリスク」にしていまいましょう。

 

【セルフトークを活用しよう】

ゴールやKPI、KDIを意識することは、PDCAを回す上でも特に重要です。定期的に声を出して、自分に言い聞かせましょう。特にKPIのセルフトークは、声に出し、頭の中でのDOやKDIまで逆算につながり、とても効果的です。

 

【「終わらなくてもいい」という割り切りも重要】

あまりにTODOを詰め込みすぎて、結果的に完遂できないことが続くと、人によっては自己不信に陥ってしまいます。普段から優先順位の高いことから順番に着手をした上で、無理なものについては「終わらなくてもいい」という気持ちを持ちましょう。

また、優先度が低くてなかなか着手できなかったものは「アイスボックス=いつかはやるけど、いまやることではないタスク」に入れてしまうことも有効です。

ただし、アイスボックスに入れたまま忘れてはいけません。1、2週間に1回は、アイスボックスを開け、各タスクが今やるべきか判断していく必要があります。

 

今回は、D(実行)の基礎を見ていきました。次回は、D(実行)を実際に行ううえでのタイムマネジメント等、より実践的な内容に触れていきます。

それでは「5講:D(実行)を学ぼう(応用編)」に続きます。

 

 


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