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第6冊② 鬼速PDCA(2講:P(計画)を学ぼう(初級編))

2講:P(計画)を学ぼう(初級編)

 

第6冊『鬼速PDCA

 

鬼速PDCA

鬼速PDCA

 

 

 

 

慎重かつ大胆に計画しよう

今回からPDCAそれぞれのフェーズに触れていきます。本日はP(計画)についてご説明します。前回も記載しましたが、PDCAで失敗する人の50%は、計画フェーズで失敗しているため、いかにこの計画の段階をしっかりやるかが大切になります。

Pのコツは、慎重すぎてPDCAサイクルが遅くなることや大胆すぎてPDCAサイクルの精度を落とすことのないよう、「現時点で可能な限り精度の高い仮説を立てて、間違っても仕方ない」との気持ちで 、慎重かつ大胆に計画することです。

 それでは、まずは計画する上での8つのステップを見ていきましょう。

 

P(計画)の8つのステップ

ステップ① ゴールを定量化する(KGIの設定)

1 期日を決める

期日が変われば、実現への戦略も変わります。さらに期日を決めることで危機感も生まれます。目的の期日を決めましょう。

2 定量化する

「KGI(Key Goal Indicator)=期日を含めた定量化したゴール」を定めましょう。

定性的な目標は、定量的なものに置き換えて把握します。(例:「痩せたい」→「体脂肪率20%未満」)

3 ゴールを適度に具体的なものにする

期日は長すぎず、短すぎず、理想は1~3ヵ月後を目安に、具体的なゴールを設定しましょう。 

ステップ② 現状とのギャップを洗い出す

ゴールが決まったら、現状とのギャップを確認します。

例:(営業)目標の月契約10件は、先月までの月平均5件の倍、契約を取らなければならない

ステップ③ ギャップを埋める課題を考える

 ゴールと現状のギャップが見えたら、ギャップを埋めるための「課題」を考えます。

例:「ゴールから逆算すると、自分は何をすべきなのか?」「この道を進むとしたら、何が不足しているのか?」など

課題抽出は、正確に漏れなく行うことが理想です。そのためには、以前ご紹介した『ゼロ秒思考』や『5W1H思考』を活用すると、より多く、より正確に課題の抽出が可能になります。

ただ、この段階で課題の完全な把握は不可能です。むしろ、課題を洗い出すためにPDCAを回す意識が重要なのです。

ステップ④ 課題を優先度づけして3つに絞る

「やらないこと」を決め、「やること」に優先度づけを行います。その際には次の3つの観点で比較しましょう。

1 インパクト(効果)

ゴール到達にもっとも大きく効果がありそうなものからAをつけていきます。優先度設定の最重要基準です。

2 時間

課題をクリアするまでにかかると想定される時間で比較します。ここで重要なのは、改めてゴールで設定した期日を意識することです。

3 気軽さ

低予算、低リスク、心理的な低障壁などのものから重みをつけます。

優先度づけのヒント

インパクトのもっとも高いものを最低でもひとつ選ぶ

インパクトが劣っても短い時間でできそうなものがあれば選ぶ

③同列の課題が並んでいたら、気軽さを基準にして絞り込む

 

ステップ⑤ 各課題をKPI化する

課題を絞り込んだら、課題の数値化をしていきます。「KPI(Key Performance Indicator)=結果目標」の設定です。これは、ゴールに向かうための「サブゴール」をイメージしてください。また、KPIは「目指すべき結果であり」、「どうなりたいか」の基準となるものなのです。

KPI設定のコツは以下の3つです。

①各課題のKPIはひとつに絞ります。

②KPIを絞る基準は、「頻繁に検証」でき、「成果が数値に正確に反映」されるもの。

③複数のKPIの中から「最重要KPI」を定めておく。

ステップ⑥ KPIを達成する解決案を考える

KPIを定めたら、その数値を達成するための解決案(大まかな方向性)を考えます。

 例:

【KPI】営業の受付突破率5%→15%

【解決案】笑顔を鍛える、発生トレーニングのセミナーに行く、営業術の本をたくさん読んでヒントを探す

なお、ここで重要なのは、その後修正のチャンスがあるなら、解決案に確固たる自信がなくても、さっさと実行に移して検証し、ブラッシュアップしていくことです。

ステップ⑦ 解決案を優先度づけする

課題と同様、解決案も「インパクト」「時間(工数)」「気軽さ」で優先度をつけていきます。ただし、優先度づけのヒントは課題の時とは少し違うのでよく確認してください。

優先度づけのヒント

①最重要KPIについては最低ひとつ、できれば2つ以上残す

②それ以外のKPIについても、できればインパクト重視で解決案をひとつは残す

③短時間で終わるものについては、インパクトが弱くても残す

ステップ⑧ 計画を見える化する

チームの場合は、ここまでのプロセスをできる限り共有し、個人の場合も、KPIを目立つところに張り出すなど、計画の「見える化」をしましょう。

見える化」により、意識づけがされることで、脳内のゴールにまつわる領域が活性化しやすくなり、PDCAを回し続ける動機づけにもつながります。

上位のPDCAを再確認しよう

 P(計画)を設定し、PDCAを回し始める前に、「上位のPDCA=そもそも、なぜそのゴールを目指すのか?」を再度、意識しましょう。

上位のPDCAを意識することで、以下のような効能があります。

・無駄なPDCAを回すことがなくなる。

 P(現状):お金を稼いで、1年以内にBMWを買おう

 上位PDCA:将来、お金に不自由しない生活を送りたい

 P(修正):一時の見栄のため、お金を使うのではなく、投資でお金を増やし、十分に余剰なキャッシュが生まれたら買おう

・PDCAに自信を持ってリソースをつぎ込める

 上位PDCAを再確認し、短期的な目標が、中長期の目標とベクトルがあっていれば、回そうとしているPDCAに自身を持つことができます。

 PDCA(短期):半年後の簿記試験に受かろう

 PDCA(中長期):会社の数字に強くなって、将来は経営者になろう

 ⇒ベクトルが合致している

 

 

PDCAの全体像に続き、P(計画)の初級編を見てきました。ここをしっかり行うことで、サイクルがより深く、早く回るのでしっかり行いましょう。次回は、P(計画)をより深く見ていきます。

それでは「3講:P(計画)を学ぶ(応用編)」に続きます。

 

 


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