第6冊⑤ 鬼速PDCA(5講:D(実行)を学ぼう(応用編))
5講:D(実行)を学ぼう(応用編)
第6冊『鬼速PDCA』
タイムマネジメントの3大原則を知ろう
いくらTODOが整理されていても、時間がなければ実行には移せません。
しかし、チームを率いる上の立場になればなるほど、回すPDCAは増えていきます。そのため、いかにタイムマネジメントをするかが、効率的で効果的な仕事をするために、とても重要となるのです。
タイムマネジメントの3大原則は以下のとおりです。これを順番に行うことがポイントです。
【タイムマネジメントの3大原則】
①捨てる
②入れかえる
③圧縮する
① 捨てる(既存のDOの棚卸しをする)
まず一番簡単で最も効果的な「捨てる」を見ていきます。捨てられるDOを浮き彫りにするには、現状抱えているDOを全て洗い出し、その時間配分を把握する必要があります。仕事のDO、プライベートのDOを1週間単位で棚卸ししてみましょう。
棚卸しする際は、独自に紙に書き出しても良いですが、本書にはサンプルとして「工数棚卸しシート」がダウンロードできるようになっているため、こちらを活用すると、更に効率よく棚卸しできると思います。
特に、この棚卸し作業が強烈に効くのはプライベートな時間の棚卸しです。棚卸ししてみると、多くの時間を特に何もせず過ごしていることに気づきます。たとえば、スマホのゲームに週20時間を費やしているなら、半分は捨てても良いかもしれません。
② 入れかえる(重要・緊急マトリクスを使う)
不要な時間を捨てても時間を捻出できなければ、次は既存のDOと新規のDOを優先度で比較し入れかえます。その際は「重要・緊急マトリクス」を使います。
【重要・緊急マトリクス】
横軸:重要度(上:重要、下:非重要)
縦軸:緊急度(上:緊急、下:非緊急)
第Ⅰ事象(左上):「重要・緊急」⇒他人に触れないか検討
第Ⅱ事象(右上):「重要・非緊急」⇒仕組み化を検討(できるだけ削らない)
第Ⅲ事象(左下):「非重要・緊急」⇒相手の理解を得られないか検討
第Ⅳ事象(右下):「非重要・非緊急」⇒真っ先に削除
このマトリクスに現状のDOを置いていきます。基準としては、重要度は3段階に分け、上位2つを重要領域、最下位を非重要領域に置きます。また、緊急度は、3ヶ月未満なら緊急、3ヶ月以上なら非緊急に置きます。
次に、新たに追加したいDOがどの事象に該当するかを考え、入れかえできそうなDOを探し、入れかえを検討します。その場合、順番は「第Ⅳ事象」⇒「第Ⅱ事象」⇒「第Ⅰ事象」⇒「第Ⅱ事象」の順に見ていきます。
なぜ「第Ⅱ事象」が最後か。それは、この領域に入るDOが「営業スキルを磨く」や「運動する」など、成長の原資となるものが入り、「将来、大きなリターンが期待できるもの」だからです。なので「第Ⅱ事象」は出来る限り削らないようにしましょう。更に、「仕組み化し、日常生活に取り込む」ことや「強制的に「緊急領域」に移動させる」ことも、この重要な領域のDOを実行するために有効です。
③ 圧縮する(ルーチンを見直す)
無駄を省き、タスクの入れかえを行っても時間が捻出できなければ、最後は「時間の圧縮」をすることになります。既存のDOのなかで「より短い時間で終わらせる方法はないか」を考えるのです。
ルーチンの見直しは「自動化する」「まとめて行う」「手順を効率化する」「スキマ時間を活用する」など、様々な方法で可能です。日々のルーチンだからこそ、その積み重ねは、年間で考えるとかなりの時間を捻出できるのです。
これでPDの学んできたことになります。まずはここまでをしっかり行動に移せるようにしましょう。そして、次からは軌道修正を行っていくための入り口「C(検証)」に入ってきます。
それでは「6講:C(検証)を学ぼう」に続きます。